2026年5月22日金曜日

日本麻酔科学会 第73回学術総会 第2日

 朝、学会場で知らない人に突然話しかけられ、昨日、私が座長を務めていたセッションがよかった、などとお褒めの言葉をいただきました。
 特に座長とコメンテーターの二人体制がよかったとのことです。

 こんな感じで褒められたのは初めてのことだったので、戸惑いました。
 もっとも、二人体制なのは私たちが決めたことではなく、学会が決めたことなのですが・・・。

 今日は特に、個別化換気戦略の講演がよかったです。
 一回換気量の個別化に関しては研究を計画したことさえなかったので、とても勉強になりました。 
 大阪大学は人工呼吸に関する多くの研究を行っているようで、感銘を受けました。

 英語での講演の機械による同時通訳は、ちょっと残念な感じでした。
 まだまだヒトのレベルには遠いようです。 

2026年5月21日木曜日

日本麻酔科学会 第73回学術集会 第1日

 初日の午前中は、呼吸のポスターディスカッションで座長を務めました。
 木曜日の午前中ということもあり、最初は閑散としていたのですが、徐々に人が増えてきて、たくさんの質問やコメントがあり、セッションは大いに盛り上がりました。
 演者のみなさま、フロアのみなさま、ご協力をありがとうございました。

 午後は急性腎障害のシンポジウムに参加しました。
 自分としては腎障害バイオマーカーや腎予備能に関する知識が弱いと思っていたので、3人のシンポジストのお話はとても役に立ちました。

2026年5月20日水曜日

社員総会

 日本麻酔科学会学術総会に先立ち、社員総会がパシフィコ横浜で行われました。

 神戸ほどではないにしても、横浜で学術集会が行われることはときどきあり、行けばなんとかなるだろう・・・ぐらいの気持ちで抄録集も持たずに出かけたのですが、ノースの場所がわからず困ってしまいました。

 ノースが建物の名前だとわかっていれば、その場でスマホで調べたわけですが、ノースが部屋の名前だとばかり勘違いしていたので、混乱してしまいました。

 近隣でやっていた日本神経学会の総合案内で場所を尋ねたところ、「ここを出てずっとまっすく」行くように言われました。
 その時の「ずっと」には実感が込められていて、「かわいそうに、これからあんなに歩くことになるなんて・・・」という気持ちが伝わってくるようでした。

 明日からの学術集会は、ノースを中心に行われることになります。
 みなさま、お気をつけください。
 場所はチェックしてから行った方がいいですよ。 

2026年5月16日土曜日

もう10年

 順天堂大学に異動してから、もう10年経ったようです。
 人事課からの連絡で気がつきました。

 永年勤続者ということで、記念品がいただけるとのことです。
 あとたぶん、リフレッシュ休暇も。
 ありがたいことです。

2026年5月2日土曜日

【土曜日勉強会】初めての研修医の抄読会

 今日は5月第1週なので、抄読会がありました。

 ふだんは比較的若手の医局員が2人、1人あたり 30 分かけて一つの論文について発表し、質疑応答を行うのですが、今日は初めて初期研修医による発表もありました。

 若い人が新しいことに取り組む姿は、見ていて頼もしく感じます。
 どんどんがんばってほしいです。

 今日は、褐色細胞腫の手術中の循環を安定させるために、硫酸マグネシウムが補助的な意味で役に立つということを学びました。

 次にチャンスがあれば、ぜひ試してみたいです。 

2026年3月31日火曜日

最後のオンコール

 ついにと言うか、ようやくと言うか、3月限りでオンコールを卒業させてもらえることになりました。

 今日が最後のオンコールです。
 家に帰る時に、東京科学大学の夜桜をカメラに収めました。

 H 特任教授は定年までオンコールをやっていたことを考えると、順天堂の価値観として卒業するのが早すぎるんじゃないかという批判もありそうですが、 内科に進んだ自分の同級生は 40代ですでにそういう義務からは逃れていたことを考えると、この年までよくやったなーという気持ちも正直なところあります。

 まあそうは言っても、自分としてはあまりいろいろなことを信用しておらず、そのうちやっぱりオンコールに戻れという指示があるんじゃないかと思ったりもしています。

 不安定で先行き不透明な世の中を不安な気持ちを抱えながら生きていくのがこの世の約束ごとなのかなと、オンコールのように比較的小さなことがらにも感じるこのごろです。

2026年2月19日木曜日

【文献】肺腎間クロストーク

 5年ぐらい前のものなので決して新しいとは言えないのですが、肺腎間クロストークに関する論文 (Joannidis  M, et al. Intensive Care Med 2020; 46: 654-72) を読みました。

 これは Acute Disease Quality Initiative (ADQI) 21 ワークショップのコンセンサスレポートで、主に疫学、腎から肺への影響、肺から腎への影響、体外補助循環の4つのパートから構成されています。

 そしてそれぞれのパートについて臨床的な疑問がいくつか設けられており、これに答える形でコンセンサスステートメントとその根拠、臨床における推奨、研究における推奨が書かれていました。

 私が最も関心を持っているのは保護的人工呼吸が AKI の発生に与える影響なのですが、これについてはエビデンスは限定的とのことでした。

 呼吸不全と AKI を結びつけるメカニズムはガス交換や血行動態のみならず炎症反応や免疫を介するものなど多岐にわたるので、保護的人工呼吸のみでは AKI を防ぎきることはできないということなのかもしれません。

 図や表がわかりやすく、全般的にコンパクトにまとまっていて、読みやすく感じました。 

2026年2月4日水曜日

キッコーマンの梅

 キッコーマン総合病院の梅が咲き始めています。

 上の写真が先々週で、下の写真が今日のものです。

 去年の桜もそうだったのですが、近隣に高い建物がないため、空が広く、花がとてもきれいに見えます。

 満開になるには、もう少し時間がかかりそうです。


 

2026年1月3日土曜日

【箱根駅伝】順天堂大学、3位でした

 昨年は体調不良で自宅療養していたので、2年ぶりの箱根駅伝の応援となりました。

 順天堂大学は後半追い上げ、総合3位でした。
 おめでとうございます。
 (前半6位で、総合5位が目標ということだったので、「おめでとう」でいいのだと思います。)

 私は友人と、ガード下で観戦していました。
 青学は圧倒的でしたが、順天堂、中央、早稲田の順位が目まぐるしく変わっていて、目が離せない展開でした。
 

2025年12月21日日曜日

【文献】生物学的年齢と術後 AKI

 実年齢ではなく、生物学的な年齢 (biological aging) が術後 AKI の発生に関連するという論文 (Yin X, Int J Surg [Online ahead of print] (PMID: 41255285)) を読みました。 

 生物学的年齢というのは実年齢や血液および生化学検査で得られる9つの指標から計算されるもので、この検査にはアルブミン、クレアチニン、グルコース、CRP などが含まれています。

 アルブミンやクレアチニン、炎症反応などは術後 AKI のリスク因子であり、生物学的年齢がたまたま AKI のリスク因子を含んでいただけで、それらを都合よく活用しただけ、という批判は起こりうるのかな、と思いました。

 その一方で、ひょっとしたらプレハビリテーションなどでこういった数値が改善するとともに「若返り」が得られるのだとしたら、リスク算出の面で有用な指標かもしれないとも感じました。

 生物学的年齢は目新しい指標なので、AKI の回復や CKD への進展の予測など、さまざまな研究に応用可能かもしれません。

2025年12月14日日曜日

【文献】AKI 2025年 まとめ

 AKI に関する総説 "Perioperative acute kidney injury: What's new in 2025?" (Elmadhoun O, et al.  J Cardiothorac Vasc Anesth [Online ahead of print] (PMID: 41207837)) を読みました。
 今年も終わりに近づき、まさに年末を感じさせる総説です。

 AKI の新しい分類 (subphenotype) に関する内容が、私にとっては目新しかったです。
 古典的な急性腎不全の分類といえば腎前性、腎性、腎後性ですが、ここでは病態別に Hypoperfusive, Inflammatory, Nephrotoxic, Obstructive に分類されていました。

 おそらく麻酔管理と最も関連があるのが Hypoperfusive と、薬物投与に関連した Nephrotoxic だろうと思われます。
 Inflammatory に関しては、人工心肺や大動脈クランプとの関連が示されていました。

 そして Phenotype-guided intervention というものが、将来的なケアの方向性として示されていました。 
 Phenotype を見極めて介入を行うという意味だろうと思われますが、単に血圧が低いというだけでなく SVV や dp/dt、Eadyn などを考慮した上で介入を行うという、現代の循環管理に近いものがこのアイデアには含まれているのかもしれません。

2025年12月5日金曜日

日本臨床麻酔学会第45回大会 第3日

 最終日の今日は、AI を研究活動にどのように活かすかについて学ぶため、ハンズオンセミナーに参加しました。
 座った場所が悪かったのか、自分の PC が弱いせいなのか分かりませんが、最初の時点で PC が wifi につながらず、大幅に出遅れました。

 その後、かろうじて断続的につながるありさまで、ネット弱者であることを自覚せずにはいられませんでした。
 こういう催しに出席するには、テザリングできるように準備しておいた方がいいことを学びました。

 肝心の内容は全般的に私には難しく、AI 弱者であることを自覚させられました。
 ChatGPT はもちろんのこと、Notebook LM や Gemini といったようなものは普通に使えるようにしておく必要がありそうです。

 全般的な感触としては、初めて JB-POT のセミナーに出席した時と似ていました。
 一回では無理です。繰り返しの学びが必要そうです。



日本臨床麻酔学会第45回大会 第2日

 朝から周術期急性腎障害のシンポジウムに出席しました。
 基礎の立場から、尿中酸素分圧連続モニタリング、非心臓手術後の AKI、心臓手術後の AKI と、座長がおっしゃる通り、確かにバランスの取れたシンポジストの布陣だったように思います。 

 私が最も興味を持ったのは、尿中酸素分圧連続モニタリングです。
 肺や心臓とは異なり、腎臓では優れたリアルタイム連続モニタリングがありません。
 エコーの弱点についてもわかりやすく説明してもらえ、とても勉強になりました。

 あとは人工呼吸に関する講演にも、2つほど参加しました。
 どちらも演者が VCV の利点を強調していたのが印象的でした。

 VCV の圧波形から換気メカニクスに関する説明をしたら、確かに研修医は興味を持ちそうです。
 こちらもとても勉強になりました。

2025年12月4日木曜日

日本臨床麻酔学会第45回大会 第1日

 日本臨床麻酔学会第45回大会が、ポートメッセなごやで始まりました。
 とても広々とした会場ですが、それぞれの部屋がコンパクトにまとまっており、部屋と部屋との間の移動がとても便利な印象です。

 夕方は自分の発表があったのですが、久々の口演ということもあり、妙に緊張してしまいました。
 本当に今さらな感じがあるのですが、PC のデータの受付の方にパワポの発表者モードについて教えてもらいました。

 話す内容を暗記しないでいいなんて、本当に便利ですね。
 今さらですが・・・。
 ノートに原稿を打ち込んでデータを預けなおし、初めて発表者モードを使ってみました。

 ランチョンセミナーでは、手術側に誘導する硬膜外カテーテル留置に関する発表がとてもよかったです。
 素朴な疑問を臨床研究として大切に育てていく様子が手に取るように伝わってきて、感動的でさえありました。
  

2025年10月16日木曜日

【文献】ロボット vs. 腹腔鏡

 腹部手術を受けた患者を対象に、 ロボット支援下手術と従来の腹腔鏡手術の間で術後肺合併症の頻度などを比較した論文 (Serafini SC, et al.  JAMA Surg [Online ahead of print] (PMID: 40960804)) を読みました。

 私にとっては意外な結果でしたが、従来の腹腔鏡手術にくらべ、ロボット支援下手術の方が術後肺合併症の頻度が有意に高いということでした。

 ロボット手術の方が手術中の人工呼吸時間が長く、4DP+RR に反映される機械換気の強度が強いということでしたが、術後肺合併症と独立した関連あったのは人工呼吸時間であり、手術のタイプ(ロボット vs. 腹腔鏡)とは関連がないということでした。

 時間がかかるのがロボット手術の弱点ということになるのかもしれませんし、ひょっとしたらロボットの進化や術者の慣れによって克服できる問題なのかもしれません。

2025年10月4日土曜日

東京科学大学のヒガンバナ

東京科学大学のヒガンバナが、今年も咲きました。

先週ぐらいまではこのあたりが雑草でいっぱいで、道にまではみ出していてちょっとストレスだったのですが、今日はすっかりきれいになってヒガンバナを見ることができました。

せっかく広い道路に面していて、多くの通勤者の目に入るわけなので、ふだんからもっと整備しておいてほしいものだと思います。
余計なお世話ですが・・・(笑)。

2025年9月26日金曜日

【文献】リドカインの抗炎症効果

 肺切除術を受ける患者を対象に、リドカインの静脈内または傍脊椎腔への投与が術後合併症や炎症反応への効果を調べた研究 (de la Gala F, et al.  Br J Anaesth [Online ahead of print] (PMID: 40897588)) を読みました。

 リドカインは静脈内に投与しても傍脊椎腔に投与しても、炎症反応の低減を通して合併症の予防に役立つ可能性があるようです。

 硬膜外麻酔が急性腎障害の予防に役立つ可能性があることはいくつかの研究で示されており、その機序としてストレス反応や炎症反応の低減が挙げられているわけですが、de la Gala らの研究では静脈内投与したリドカインも炎症反応を低減するわけですから、局所麻酔薬自体にひょっとしたら炎症低減効果があるということなり、それが急性腎障害の予防に役立っていたということなのかもしれません。

 今後、硬膜外麻酔やその他の神経ブロックの腎保護作用が論じられる際には、ブロックの効果だけでなく薬物自体の効果についても論じる必要があるように感じられました。

2025年9月17日水曜日

【文献】術前の腎機能の改善

 開心術を受ける患者において、腎機能が術前に改善する患者では術後 AKI のリスクのみならず、AKI の重症度も高くなり、しかも期間も長引く、という論文 (Jiang B, et al.  Sci Rep 2025; 15: 27933) を読みました。

 私の AKI 論文コレクションのどれにも当てはまらない、ものすごく新しい、というか変わった発想のもとに行われた研究であるように思われます。

 血清クレアチニン濃度の変化を転帰に結び付ける発想は、これまでにもいくつかありました。

 例えば、「術後 AKI の後に血清クレアチニン濃度が完全に回復しても、非 AKI 患者よりも転帰が悪化する」とか、「AKI から回復する期間が長いと、転帰がより悪化する」などです。

 しかしこれらはいずれも AKI の後の経過であって、術前のものではありませんでした。 

 残念なのは、術前の腎機能の改善と転帰の悪化を結び付ける理由として、バイオマーカーとしての血清クレアチニンの不完全さが挙げられている点です。

 腎機能を正確に反映するバイオマーカーがあってこそ質の高い研究ができるわけで、新しい、簡単に臨床で使える、精度の高いバイオマーカーの開発が待たれるところです。

 

2025年8月20日水曜日

タイムカプセルの行方

 今日は某大学に用事があって出かけてきたのですが、そのついでに私が卒業した小学校に寄ってきました。

 今も時々思い出しては気になるのがタイムカプセルのことで、創立50周年を記念して6年生の時に、正門そばの植え込みを囲む場所に埋めたはずなんです、自分の記憶が正しければですが。

 ところが今朝、そこを外から覗いてみたら、その植え込みは跡形もなく、コンクリートの駐車場になっていました。

 創立100周年を記念して掘り出す計画だったはずなのに、あのタイムカプセルはどこに行っちゃったんでしょう??

 あと3年だと思って、楽しみにしていたのに・・・。

 誰か、あのタイムカプセルの行方を知っている人はいませんか?

 用務員さんとかいたら声を掛けてみようと思ったのですが、あいにく誰もいませんでした。

 ずっと地元に住み続けている昔の友達なら、事情を知っているかなぁ。 

 FB とかで探して、連絡取ってみようかな。

 それにしても、当時の校長先生の「自ら学ぶ」の碑をおよそ半世紀ぶりに見ることができたのはよかったです。

 すごく懐かしい。



 

2025年8月7日木曜日

フェンタニル復活

 長いこと、モルヒネ塩酸塩の使用を強いられていましたが、今日、外勤に行ったら、薬品セットの中にフェンタニルが復活していました。

 フェンタニル供給難になる前とくらべてセット内の本数は減ってしまいましたが、それでもフェンタニルの方が使いやすいです。
 助かりました。

 フェンタニルと言えば、米国大統領による規制強化のニュースが多いですが、供給難のために麻酔中の鎮痛が不自由していることについては、特にニュースとしては聞こえてこなかったような気がします。

 こっちの方が、日本国民の生活に直結しているように思うのですが、それが患者さんたちの意識にのぼらなかったのだとすれば、それはそれで良かったということなのでしょう。

日本麻酔科学会 第73回学術総会 第2日

 朝、学会場で知らない人に突然話しかけられ、昨日、私が座長を務めていたセッションがよかった、などとお褒めの言葉をいただきました。  特に座長とコメンテーターの二人体制がよかったとのことです。  こんな感じで褒められたのは初めてのことだったので、戸惑いました。  もっとも、二人体制...