2025年9月26日金曜日

【文献】リドカインの抗炎症効果

 肺切除術を受ける患者を対象に、リドカインの静脈内または傍脊椎腔への投与が術後合併症や炎症反応への効果を調べた研究 (de la Gala F, et al.  Br J Anaesth [Online ahead of print] (PMID: 40897588)) を読みました。

 リドカインは静脈内に投与しても傍脊椎腔に投与しても、炎症反応の低減を通して合併症の予防に役立つ可能性があるようです。

 硬膜外麻酔が急性腎障害の予防に役立つ可能性があることはいくつかの研究で示されており、その機序としてストレス反応や炎症反応の低減が挙げられているわけですが、de la Gala らの研究では静脈内投与したリドカインも炎症反応を低減するわけですから、局所麻酔薬自体にひょっとしたら炎症低減効果があるということなり、それが急性腎障害の予防に役立っていたということなのかもしれません。

 今後、硬膜外麻酔やその他の神経ブロックの腎保護作用が論じられる際には、ブロックの効果だけでなく薬物自体の効果についても論じる必要があるように感じられました。

【文献】リドカインの抗炎症効果

 肺切除術を受ける患者を対象に、リドカインの静脈内または傍脊椎腔への投与が術後合併症や炎症反応への効果を調べた研究 (de la Gala F, et al.  Br J Anaesth [Online ahead of print] (PMID: 40897588)) を読みま...