実年齢ではなく、生物学的な年齢 (biological aging) が術後 AKI の発生に関連するという論文 (Yin X, Int J Surg [Online ahead of print] (PMID: 41255285)) を読みました。
生物学的年齢というのは実年齢や血液および生化学検査で得られる9つの指標から計算されるもので、この検査にはアルブミン、クレアチニン、グルコース、CRP などが含まれています。
アルブミンやクレアチニン、炎症反応などは術後 AKI のリスク因子であり、生物学的年齢がたまたま AKI のリスク因子を含んでいただけで、それらを都合よく活用しただけ、という批判は起こりうるのかな、と思いました。
その一方で、ひょっとしたらプレハビリテーションなどでこういった数値が改善するとともに「若返り」が得られるのだとしたら、リスク算出の面で有用な指標かもしれないとも感じました。
生物学的年齢は目新しい指標なので、AKI の回復や CKD への進展の予測など、さまざまな研究に応用可能かもしれません。