2024年1月26日金曜日

【土曜日勉強会】i-gel Plus など

 i-gel Plus とプローブカバー、パーカー気管チューブに関する商品説明がありました。

 i-gel Plus は形状が従来のものよりは縦長になり、太い胃管が挿入できるようになったようです。
 潤滑剤については後面だけでなく、前面や側面にも塗るべきだということでした。

 パーカー気管チューブはシェアが全国第3位なのだそうです。
 患者さんが嚙んだとしても閉塞しないように、インフレーションラインの位置変更を最近行ったということでした。
 鉗子がいらないダブルルーメンチューブは、とても目新しく感じました。

2024年1月23日火曜日

【文献】輸液反応性と輸液耐性

 輸液反応性と輸液耐性 (fluid tolerance) に関する解説文 (commentary) (Kenny JS, et al.  Crit Care Explor 2023; 5: e1022) を読みました。

 輸液反応性のみに基づいて輸液療法を行うと静脈圧上昇の早期の徴候を見逃すことになり、一方で輸液耐性のみに基づくと輸液反応性のない患者を見落とすことになります。

 それで著者らは両方を考慮に入れるために、横軸を前負荷、縦軸を1回拍出量とした上で平面を4分割し、どのクラスに患者が入るのかによって対処を決めるという、昔なつかしい Forrester 分類みたいなことを提唱しています。

 この著者らによると、スターリング曲線の水平部分は Profile 2 に相当する、すなわち静脈うっ滞のサインがあるということになるようです。

 理屈は簡単ではないのですが、「輸液反応性がある限り、輸液をし続けた方がいいのか?」という根源的な質問の回答になっているような気がしています。

2024年1月19日金曜日

【土曜日勉強会】周術期低体温

 札幌医大麻酔科教授・山蔭先生をお招きして、周術期低体温に関するご講演をいただきました。
 スライドにたくさんアニメーションがちりばめられていて、決して人を飽きさせないすばらしいお話でした。

 以下は、私のメモ書きです。
・高齢者は低体温を感じにくい。
・体温が下がると出血が増え、感染が増える。その結果としてコストがかかる。
・正常体温維持はSSI予防バンドルのひとつ。
・加温済み輸液剤で熱傷になることがある。
・温風式加温装置でⅢ度熱傷が起こることがある。
・レベル1 を時間がかかっても準備した方が、ホンビングするよりも効率がいい。
・アミノ酸投与により体温が維持できて出血が減る。
・麻酔導入前に加温しておくと、再分布性低体温が避けられる。
・食道温に正確に追随するのは鼓膜温。
・膀胱温は腹腔鏡手術、尿量が少ない場合などでは不正確になりがち。
・侵襲性と正確性からすると、鼓膜温か前額温がいいらしい。 

2024年1月18日木曜日

【文献】術前評価と薬剤師

 術前外来における薬剤師の役割に関して調べた論文 (Lindbloom TJ, et al.  Am J Health Syst Pharm [Online ahead of print] (PMID: 37996069)) を読みました。

 このテーマで書かれた論文はきわめて少なく、以前、術前外来関連の論文を書いた際に、薬剤師の業務について書かれた論文を探すのにはかなり苦労しました。
 どうやら薬剤師は、海外では術前評価にはあまり参加していないようです。
 この論文でも、「どういう術前患者で薬剤師による薬物の評価が必要か」がひとつのテーマになっていました。

 その点、当院では全ての術前外来受診患者さんについて薬剤師が薬物の評価をしており、たいへん助かっています。
 術前外来への薬剤師の参加ということに関しては、ひょっとしたら日本の方がずっと進んでいるのかもしれません。 

2024年1月15日月曜日

【文献】低リスク患者/手術における術前検査

 低リスク患者が低リスク手術を受ける場合でも、日本の多くの病院では心電図や胸部レントゲンなどの術前検査をきちんと行っていると思います。

 ウチの病院でも同様で、麻酔科管理下に行われる手術では心電図、胸部レントゲン、血算・生化などの検査は必須となっています。

 ところが海外は事情が異なるようで、各種ガイドラインにより低リスク患者が低リスク手術を受ける場合は術前検査は不要とされており、今日、私が読んだ論文 (Hall A, et al.  PLoS ONE 2022; 17: e0278549) は、それでも一部 (17.9-35.5%) の症例では依然として検査が行われているのはなぜか、ということを調べたものでした。

 この研究によると、不要とされているのに検査をするのにはいくつか理由があり、誰が検査のオーダーに責任を負うかが明確でない、同僚と相談ができない、検査していないことにより手術が中止になりうる懸念などが挙げられていました。

 検査をするべきかやめるべきか、カナダで臨床の最前線に立つ医療従事者の困った顔が目に浮かぶようですね。

 そういう意味では、術前検査は必ずやるものと決めているわが国の方が、医療従事者の精神的プレッシャーが少ないと言えるのかもしれません。

2024年1月14日日曜日

新春のお笑い

 オンコールのスケジュールの関係で、今年は毎年地元で行われるお正月のお笑いのイベントに行くことができませんでした。

 それでかわりに、今日は銀座で行われた「三遊亭小遊三・春風亭昇太 二人会」 に行き、ちょっと遅くなりましたがお正月気分を味わってきました。

 ベテランのお二人の話芸はさすがなのですがそれだけでなく、芸人さんの名前は失念してしまったのですが皿回しの芸がすごくて、まさにお正月という感じでした。

 出刃包丁3本を使って皿を回すなんて、本当にすごいですよね。
 驚きました。

2024年1月10日水曜日

【文献】AKI care bundle

 AKI care bundle には、血行動態の是正やモニタリング、高血糖や腎毒性のある薬物を避けることなど、いくつかの構成要素が含まれますが、これらのうちのどれが最も重要かを調べた論文(レター)(von Groote TC, et al.  Intensive Care Med 2022; 48: 242-5) を読みました。


 対象は心臓手術後の患者で、2つの PrevAKIトライアルのデータが組み合わされています。


 これによると、AKI 予防で最も重要なのは血圧と心拍出量を維持することだそうです。

 そして、AKI のリスクが高い患者ではたとえ短時間であっても低血圧を避けることが重要で、心係数を改善するために強心薬を使用することが勧められるとのことでした。


 PrevAKIトライアルでは、介入に血糖値のコントロールなど複数の要素が含まれているので、優先順位を明確にしたという点で意義があるように感じました。

2024年1月6日土曜日

【文献】テレコンサルテーション

 コロナ禍における術前評価を、ビデオ通話で行った場合と対面式で行った場合とで比較した RCT (Morau E, et al.  J Clin Aesth 2024; 92: 111318) を読みました。

 ウチの病院ではコロナ禍にビデオ通話で外来診療を行っていた診療科もあったようですが、術前外来ではやりませんでした。

 ビデオ通話での術前評価を行うことは、一瞬、発想はあったのですが、正直なところ、やろうというエネルギーがありませんでした。

 Morau らの研究では外科系診療科外来受診の時点で、家にパソコンがあることなどを確認の上、研究に参加する患者さんをリクルートしたようなのですが、外科の先生たちもがんばったんだろうなーと、変に感心してしまいました。 

 毎日の麻酔や感染対策などでいっぱいいっぱいなようでは、質の高い研究はできないのかもしれません。

 研究を行うには、肉体的にも精神的にもかなりタフでないといけないようです。

2024年1月5日金曜日

【文献】手術室での赤血球輸血

 手術中の赤血球輸血に関するコンセンサス・ステートメント (Lenet T, et al. JAMA Netw Open 2023; 6: e2349559) を読みました。

 輸血をいつ始めるか、どのくらい投与するかは施設や構成員の慣習に縛られるところが多いのですが、そういうバラツキがあることを意識して作られたものです。

 この論文では、職種間のコミュニケーションの重要性と制限的輸血に関するステートメントが強調されていました。

 これに関しては『麻酔科学レビュー2024』で改めて取り上げるつもりなので、ここでは詳しくは書きませんが、手術中に特化したステートメントという意味では、麻酔科医にとって特に参考になるのではないかと思い、紹介してみました。

2024年1月3日水曜日

箱根駅伝復路

 今年も箱根駅伝の応援に行ってきました。

 第 100 回だからかもしれませんが、大手町からゴールへの道は異常に混んでおり、三越前のの方向に歩いても人が途切れることは全くありませんでした。

 いつもよりもゴールから離れ、結局は貨幣博物館の近くの交差点で応援することにしました。

 コロナ禍では禁止されていた旗や横断幕での応援が今年は復活したのですが、自分の近くでは旗振りをする人はあまりおらず、写真を撮るのには好都合でした。

 順天堂大学は残念な結果に終わりましたが、今年は予選会から応援に行ってみようと考えています。
 

2024年1月2日火曜日

往路 10 位

 今日の箱根駅伝往路で、順天堂大学は 10 位でした。

 明日の復路はどうなるかわかりませんが、もしも 10 位のまま大手町になだれ込んでくるようなことになったら、本当に応援に熱が入りそうです。

 明日が楽しみです! 

医科歯科のままでした

 今日から「東京科学大学」の看板がかかっているのかな・・・と思ったのですが、今朝の時点ではまだ「医科歯科」のままでした。  看板を変えるのも、お金がかなりかかるんでしょうね。