2024年1月23日火曜日

【文献】輸液反応性と輸液耐性

 輸液反応性と輸液耐性 (fluid tolerance) に関する解説文 (commentary) (Kenny JS, et al.  Crit Care Explor 2023; 5: e1022) を読みました。

 輸液反応性のみに基づいて輸液療法を行うと静脈圧上昇の早期の徴候を見逃すことになり、一方で輸液耐性のみに基づくと輸液反応性のない患者を見落とすことになります。

 それで著者らは両方を考慮に入れるために、横軸を前負荷、縦軸を1回拍出量とした上で平面を4分割し、どのクラスに患者が入るのかによって対処を決めるという、昔なつかしい Forrester 分類みたいなことを提唱しています。

 この著者らによると、スターリング曲線の水平部分は Profile 2 に相当する、すなわち静脈うっ滞のサインがあるということになるようです。

 理屈は簡単ではないのですが、「輸液反応性がある限り、輸液をし続けた方がいいのか?」という根源的な質問の回答になっているような気がしています。

日本麻酔科学会第72回学術集会第2日

 昨日とは違い、今日は発表のプレッシャーがなく、のんびりと学会を楽しむことができました。  早朝は麻酔薬の作用機序に関するリフレッシャーコース、その後は敗血症に関するシンポジウムに参加しました。  午後は働き方改革に関する講演を聞きました。  現場の麻酔科医ではなく、管理者(院長...