2024年7月31日水曜日

【文献】硬膜外カテーテル挿入手技

 Dynamic pressure-sensing (DPS) という新しいテクノロジーを用いて硬膜外カテーテルの挿入を試みた論文 (Ranganath YS, et al. Anesth Analg 2024; 139: 201-10) を読みました。

 百数十人の患者をランダムに2群に分け、一方は DPS を利用、他方は従来の抵抗消失法を利用し、レジデントまたはフェローが手技を行うという研究デザインを採用しています。

 主要評価項目はカテーテル留置成功率なのですが、いずれの群も 90 %以上の成功率で群間差なし。
 これは仕方がないのかもしれませんが、所要時間や硬膜穿刺を含む副次的評価項目にも差がなかったということです。

 さまざまな薬物やデバイスの開発によって麻酔管理は全般的に質も安全性も高くなったと思うのですが、硬膜外麻酔の手技は基本的には変わっておらず、昔も今も職人芸に依存せざるを得ない領域だということなのかもしれません。

日本臨床麻酔学会第44回大会第1日

 日本臨床麻酔学会第44回大会が新宿の京王プラザホテルで行われ、今日は一般演題の発表があったので出かけてきました。  午前中は麻酔科領域講習に参加しました。  痛みの程度、必要な不動の程度、所要時間を三次元のそれぞれの軸に見立て、患児に必要な鎮静の性質を考えるというやり方はとても...