抄読会のお世話係だった S 先任准教授が退職され、今回から主任教授自らが抄読会の論文を選ぶことになりました。
H 先生担当
You B, et al. Investigating mortality salience as apotential causal influence and moderator of responses to laboratory pain. PeerJ 2024; 12: e17204.
・疼痛レジリエンスには二つの面、すなわち行動忍耐力と認知的・感情的積極性がある。
・疼痛レジリエンスと CPT で得られる結果の間には必ずしも一貫性がなく、一貫性がないということは介在する因子があると考えられ、それを探索すべく行われた研究。
・CPT を行う前に被験者をランダムに2群に分け、一方に対してのみ MS 処理(死に対して意識を向けさせられる)を行なった結果、MS 群でより長い時間耐えることができた。
・死を想起させるものに曝露されると疼痛耐性が増すが、これは文化的緩衝装置に対する欲求が高まるという考えで説明される。
H 先生担当
Tobias JD, et al. Pediatric Intraoperative Electromyographic Responses at the Adductor Pollicis and Flexor Hallucis Brevis Muscles: A Prospective, Comparative Analysis. Anesth Analg 2024; 139: 36-43.
・乳幼児における筋弛緩モニタリングの研究。
・3ヶ月から7才の小児患者において下肢で筋弛緩モニタリング(テトラグラフ)を行い、上肢でのモニタリングを比較した。
・手の TOFR の回復は足よりも3分早い。
・足でのモニタリングでは抜管が遅れることになるが、高い安全性が得られる可能性がある。
・乳幼児における神経筋モニタリングが足でも可能であることが示された。