赤血球輸血を減らすための管理プログラムに関する論文 (Czarnecka J, et al. J Cardiothorac Vasc Anesth [Online ahead of print] (PMID: 37953174)) を読みました。
心臓手術を受ける患者を対象に、管理プログラムの実施前後で比較したところ、実際に赤血球輸血の頻度が低下し、輸血された患者では単位数が減少したということです。
この研究の特筆すべきところは、術前の時点からから十分な準備が行われていたことだろうと思います。
術前の貧血の有無、フェリチンレベルなどを測定し、鉄欠乏の有無によって実際に鉄分やエリスロポエチン、ビタミン類などを投与したということです。
輸血の頻度が減ることでアウトカムが改善したかどうかが気になるところですが、この研究では機械換気を必要とした割合のみが減少していました。
急性腎障害の頻度については明らかにされていませんが、腎代替療法の必要性については差がなかったということです。