換気回数にくらべて心拍数が相対的に低い時は、PPV による 輸液反応性の精度が低下 することが知られています。
これは心拍数が低ければ低いほど、呼吸サイクル中の脈圧の最大値と最小値付近に心拍がない、すなわち脈圧の最大値と最小値を検知できない可能性があるためと考えられているためで、一般加法モデル (generalized additive model) を用いてこれを克服しようとした論文 (Enevoldsen J, et al. J Clin Monit Comput [Online ahead of print] (PMID: 37968547)) を読みましたので、紹介します。
一般加法モデルの説明についてはこの論文の figure 2 に載っているのですが、縦軸を脈圧、横軸を呼吸サイクル中の時間経過とし、いつ心拍があったかによって脈圧をグラフ上に配置します。
これを多数の心拍について行うことにより、あたかも一つの呼吸サイクル中に多数の心拍があり、脈圧の滑らかな曲線を描くことができる、すなわち脈圧の最大値と最小値を導くことができるというものです。
残念ながら結果はネガティブで、一般加法モデルの利点を生かすことはできなかったのですが、同様の研究に応用が可能な考え方なのではないかと思いました。