敗血症や敗血症性ショック状態にある手術患者に対しては、晶質液輸液を大量に行い、ノルアドレナリンを投与して血行動態の維持に努めるものなのではないかと思います。
医師国家試験でも時々、敗血症性ショック患者に対する集中治療に関する問題が出ており、基本的にはそういう解答が求められているように記憶しています。
ところが先日読んだ論文 (Shahnoor H, et al. Cureus 2023; 15: e45620) では、敗血症および敗血症性ショック状態において制限的輸液を行い、それが転帰に与える影響を調べるメタ解析でした。
メタ解析ということはこれ以前に多くの研究が行われているというわけで、実際、このメタ解析では 12 個の RCT を対象にしていました。
結果としては、コントロール群にくらべて輸液制限群の死亡率、ICU 滞在日数、AKI の頻度などには有意差がなかったものの、機械換気の期間は有意に短かったということです。
手術中の輸液のトレンドは ずっと制限的な方向に動いており、それが最近では反省期に入った ように見受けられるので、敗血症の輸液管理についても同様なのでしょうか。
今後の動向を注目していこうと思います。