2023年9月29日金曜日

【土曜日勉強会】横隔膜ペーシングと筋弛緩モニタリング

 土曜日恒例の勉強会の前半は、H先生による日本小児麻酔学会の予演でした。
 横隔膜ペーシングの麻酔に関するシンポジウムだそうで、横隔膜ペーシングは入院中は(現在は)使用できないこと、抜管後はICUでNIVが必要なことなど、勉強になりました。

 後半は日本光電社による、筋弛緩モニタリングに関する説明会でした。
 経験的に刺激電極をかなり腕の外側に装着すると信号がうまく得られるような気がしていたのですが、今さらなのですが、前腕の回内時の電位変化と関係があるということがわかりました。

 それから、活性電極は手の平よりも外側(筋腹)に、小指の基準電極は腱の付け根よりも遠位に貼らないといけなかったようです。
 これは初めて知りました。

 夜は、千葉マリンスタジアムに、千葉ロッテ対埼玉西武の試合を観に行きました。
 9回表の西武の猛攻をしのいだロッテが、10回裏に石川慎吾選手のサヨナラヒットで劇的な勝利をおさめました。

 写真は試合後に、真っ暗になった球場で観客がペンライトやスマホのライトを振っているところです。
 野球観戦は久しぶりだったのですが、イニング間のイベントも盛りだくさんで、とても楽しかったです。

非侵襲的な輸液反応性の予測


 輸液反応性を予測する際に、動脈ラインの挿入や輸液などの侵襲を伴う手技を行わず、PRLやエコー波形の評価など、非侵襲的な手技の組み合わせで完結させるやり方が、最近数多く見られるようです。

 最近の Cheong らの研究 (J Ultrasound [Online ahead of print] (PMID: 37668901) では、PLR を行いつつ輸液反応性を予測する上で頸動脈の超音波波形を利用しています。

 頚動脈だと麻酔科医からのアクセスがいいので、Aラインの入っていない手術患者さんでは、(PLRは無理だろうと思いますが)別の方法と組み合わせることで応用が効くのかもしれません。

 写真は医科歯科の敷地の中に生えているヒガンバナです。
 朝見るときれいでかわいらしいのですが、夜は街の灯りに照らされて、ちょっと妖しい感じがするようです。

2023年9月28日木曜日

データもらいました

 情報センターの協力を得て、研究用のデータを抽出してもらいました。

 けっこう膨大なデータなので時間はかなりかかりましたし、きっとものすごい労力だったんじゃないかと思います。

 本当にありがたい限りです。

2023年9月27日水曜日

メトホルミンと AKI

 日常量のメトホルミンに腎保護作用があることはよく知られており、以前、私のホームページで、術前のメトホルミン投与が AKI の予防に役立つ可能性があるという論文を紹介しました。

 しかし一方で最近、日常量のメトホルミンで乳酸アシドーシスを伴う AKI、しかも透析を必要とするような重篤なものが生じたという症例報告 (Ariga M, et al. J Med Case Rep 2023;17:93) を見つけました。

 AKI の薬理学的予防に関して候補となる薬物が出ては消えるを繰り返しているようですが、メトホルミンもひょっとしたらその一つなのかもしれません。

2023年9月25日月曜日

弱い自発呼吸のもとでの PPV

 動脈圧波形の呼吸性変動を利用して輸液反応性を予測する際には、自発呼吸があると予測精度が低くなる、つまり、輸液反応性を予測するには自発呼吸があってはならない、というのが一応の定説になっていると思います。

 今朝、自発呼吸のある条件下で輸液反応性の予測を試みた研究 (Chen H, et al. Ann Intensive Care 2023; 13: 72) を読みました。
 これによると、P0.1 < 1.5 cmH2O の条件の下でなら、つまり自発呼吸があっても弱ければ、PPV は輸液反応性の予測に役立つようです。

 機械換気を受けている患者において、自発呼吸努力がわずかながらあるという状況は少なくありません。
 自発呼吸があってもわずかなら大丈夫・・・ということなら、とても心強いです。

 今後は同様の研究、例えば、心房細動があっても心拍数が低ければ大丈夫とか、腹腔内圧がほんのちょっとなら高くても大丈夫とか、が行われるのではないでしょうか。
  

2023年9月13日水曜日

研究倫理に関する研修

 今日の臨床研究研修会のテーマは、「研究倫理」だった。

 われわれの業界ではよく言われていることだが、撤回論文数の世界トップ 10 のうちの5人が日本人で、しかも1位と3位が麻酔科医だということが紹介されていた。 
 こういう話を聞くと、いつものことなのだが、両方の属性を有する自分としては、なんとも複雑な気分になってしまう。

 責任ある研究活動についてはクロとシロとにくっきりと分かれるものではなく、その間にグレーなゾーンがあるのだそうだ。
 それを QRP (questionable research practice) と呼ぶのだが、これを経験した研究者は約半数もいるそうで、これを減らしていくことが重要な課題だということだった。 

2023年9月5日火曜日

救急救命士の挿管実習

 今年も救急救命士の挿管実習が始まった。

 今日は救命士と一緒に 3 人の患者さんのところに行き、それぞれ快く実習の同意をいただいた。

 全部で 30 例なので先は長いが、根気よくがんばってほしい。

 

2023年9月2日土曜日

支部集会

 日本麻酔科学会関東甲信越・東京支部第 63 回合同学術集会に出席しました。

 今回は症例報告を、初期研修医の S 先生に担当してもらいました。

 S 先生は初めての学会発表とのことでしたが、話す内容は完全にマスターしていて、一度も原稿を読むことなく、聴衆の方を向いて発表しており、とても立派でした。

 われわれにとっては残念なことですが、S 先生は麻酔科ではない診療科に進むことになっており、これが最初で最後の麻酔科学会での発表となりました。

 今回の経験が、S 先生のこれからの医師人生に役立ってくれるとうれしいです。 

医科歯科のままでした

 今日から「東京科学大学」の看板がかかっているのかな・・・と思ったのですが、今朝の時点ではまだ「医科歯科」のままでした。  看板を変えるのも、お金がかなりかかるんでしょうね。