動脈圧波形の呼吸性変動を利用して輸液反応性を予測する際には、自発呼吸があると予測精度が低くなる、つまり、輸液反応性を予測するには自発呼吸があってはならない、というのが一応の定説になっていると思います。
今朝、自発呼吸のある条件下で輸液反応性の予測を試みた研究 (Chen H, et al. Ann Intensive Care 2023; 13: 72) を読みました。
これによると、P0.1 < 1.5 cmH2O の条件の下でなら、つまり自発呼吸があっても弱ければ、PPV は輸液反応性の予測に役立つようです。
機械換気を受けている患者において、自発呼吸努力がわずかながらあるという状況は少なくありません。
自発呼吸があってもわずかなら大丈夫・・・ということなら、とても心強いです。
今後は同様の研究、例えば、心房細動があっても心拍数が低ければ大丈夫とか、腹腔内圧がほんのちょっとなら高くても大丈夫とか、が行われるのではないでしょうか。