4年間にドイツで行われた 2,800 万件超の手術を対象に、周術期臓器障害について調べた論文 (Kirk F, et al. Nat Commun 2025; 16: 3366) を読みました。
これによると、臓器障害のうち最も多く発生するのは急性腎障害なのだそうです。
これまで急性腎障害に関する研究をいくつか行ってきましたが、正直なところ、ちょっと意外な感じがしました。
MI や ALI/ARDS などとくらべ、臨床の現場でのインパクトが小さいからなのかもしれませんが、見過ごされすぎていると言えるのかもしれません。
そしてこの著者らによると、周術期は ‘the neglected stepchild of global health’ と呼ばれてきたということです。
ずいぶんひどい言われようですが、前向きに捉えればこれから開拓されるべき分野だということなのかもしれません。