2025年5月14日水曜日

【文献】周術期臓器障害

 4年間にドイツで行われた 2,800 万件超の手術を対象に、周術期臓器障害について調べた論文 (Kirk F, et al. Nat Commun 2025; 16: 3366) を読みました。

 これによると、臓器障害のうち最も多く発生するのは急性腎障害なのだそうです。

 これまで急性腎障害に関する研究をいくつか行ってきましたが、正直なところ、ちょっと意外な感じがしました。

 MI や ALI/ARDS などとくらべ、臨床の現場でのインパクトが小さいからなのかもしれませんが、見過ごされすぎていると言えるのかもしれません。

 そしてこの著者らによると、周術期は ‘the neglected stepchild of global health’ と呼ばれてきたということです。

 ずいぶんひどい言われようですが、前向きに捉えればこれから開拓されるべき分野だということなのかもしれません。


日本麻酔科学会第72回学術集会第2日

 昨日とは違い、今日は発表のプレッシャーがなく、のんびりと学会を楽しむことができました。  早朝は麻酔薬の作用機序に関するリフレッシャーコース、その後は敗血症に関するシンポジウムに参加しました。  午後は働き方改革に関する講演を聞きました。  現場の麻酔科医ではなく、管理者(院長...