2025年1月4日土曜日

【土曜日勉強会】抄読会 --- Lateral QL ブロックなど

 年が明けて最初の勤務日だったのですが、たまたま土曜日だったので抄読会から1年が始まった形になりました。

F 先生担当
George RM, et al.  Dermatomal spread in lateral quadratus lumborum blocks versus transversus abdominus plane blocks after laparoscopic colorectal surgery: a randomized clinical trial.  Reg Anesth Pain Med [Online ahead of print] (PMID: 39510803)
・腹腔鏡下大腸手術を受ける患者を対象に、lateral TAP ブロックと lateral QL ブロックとの間で範囲や効果などを比較した研究。
・Lateral QL ブロックは TAP ブロックよりもさらに後方(背中側)で行うイメージ。
・TAP 群で intermediate block(中途半端な効き) をより頻繁に認めた。
・T11-L1 の領域では QL ブロックで信頼性が高い(よく効いている)。
・Lateral QL ブロックは TAP ブロックにくらべて頭側への広がりがよかった。

M 先生担当
Bandyopadhyay A, et al.  Peri-Intubation Hypoxia After Delayed Versus Rapid Sequence Intubation in Critically Injured Patients on Arrival to Trauma Triage: A Randomized Controlled Trial.  Anesth Analg 2023; 136: 913-9.
・外傷患者における現場での delayed および rapid sequence induction を比較した研究。
・挿管時の低酸素血症の発生率は DSI 群で有意に低かった。
・初回挿管成功率は DSI 群で高かった。
・ケタミンは循環抑制を起こさないなど、外傷患者の鎮静に適しているという理由で用いられている。

【文献】術後の乏尿が持つ意味

 手術患者で乏尿はしばしば見られますが、それが術後のアウトカムに対してどのような意味を持つのかについては十分にはわかっていません。  さまざまな研究者がさまざまな研究を行っていますが、必ずしも結果は一致していないように見受けられます。  先日読んだ論文 (de Moura Ped...