2024年7月31日水曜日

【文献】硬膜外カテーテル挿入手技

 Dynamic pressure-sensing (DPS) という新しいテクノロジーを用いて硬膜外カテーテルの挿入を試みた論文 (Ranganath YS, et al. Anesth Analg 2024; 139: 201-10) を読みました。

 百数十人の患者をランダムに2群に分け、一方は DPS を利用、他方は従来の抵抗消失法を利用し、レジデントまたはフェローが手技を行うという研究デザインを採用しています。

 主要評価項目はカテーテル留置成功率なのですが、いずれの群も 90 %以上の成功率で群間差なし。
 これは仕方がないのかもしれませんが、所要時間や硬膜穿刺を含む副次的評価項目にも差がなかったということです。

 さまざまな薬物やデバイスの開発によって麻酔管理は全般的に質も安全性も高くなったと思うのですが、硬膜外麻酔の手技は基本的には変わっておらず、昔も今も職人芸に依存せざるを得ない領域だということなのかもしれません。

2024年7月26日金曜日

【土曜日勉強会】麻酔器の勉強会

 今日の勉強会では、ドレーゲル社の方に Zoom で麻酔器の構造について解説をしていただきました。

 恥ずかしながら、電気で制御される APL バルブというのがあるというのを初めて知りました。
 停電の際には作動しなくなることから、そういう麻酔器には緊急用 APL バルブが備わっているのだそうです。

 今までそういう麻酔器を使ったことがないのですが、使用中に瞬間停電なんかがあったら困るかもしれません。
 麻酔バッグがパンパンになるか、逆にしぼみっぱなしになるか、もしくは一定の圧レベルで固定されるかすることになるんでしょうね。
 もっと詳しく教えてもらえばよかったです。
 質問のタイミングを失いました。

 ドレーゲルの方は、ドレーゲルは「ベローズ式を卒業した」という表現をしていました。
 他社よりも一歩先を行っているという感じがとてもよかったです。
 ピストン、もしくはタービン式の人工呼吸器では、O2 フラッシュボタンを押しても気道内圧が上がらないという点は、なるほどなと思いました。

 勉強会係の Y 先生の「なぜ世の中にはいまだにベローズ式が多いのか」という質問は、ドレーゲルの方からすればつまらない疑問だったのかもしれませんが、問題の本質をついている感じがあり、自分の中ではさすがだと妙に感心させられました。

2024年7月15日月曜日

【文献】声門下狭窄の症例報告

 術前評価で気が付かれなかった声門下狭窄のために気管チューブが進まず、LMA で気道確保を行なった症例報告 (Hibino A, et al. Cureus 2024; 16: e59543) を読みました。

 手術の対象部位を含む術前の CT でかろうじて声門部狭窄が捉えられており、CT が撮られていてそれが気道を含んでいる場合は、それも活用した上での気道評価が必要だということがよくわかりました。

 この報告の声門下狭窄の原因は、40 年前の帝王切開での気管挿管だと考えられているようです。

 帝王切開での気管挿管挿管なら短時間なわけで、たとえ短時間の気管挿管であったとしても数十年後の結果を軽視することができないということも、よくわかりました。

2024年7月14日日曜日

お笑いライブ

 昨日はオンコールだったのですが、緊急手術が多かったのでたいへんでした。
 オンコール・当直体制が変わり、オンコール1人、当直1人に減ったので、身体も心も疲れました。

 日付けが変わり、オンコールから解放され、今日はお笑いライブに行ってきました。
 ナイツやどぶろっくがおもしろいのは当たり前なのですが、自分としては初めて見た「お見送り芸人しんいち」がよかったです。
 歌がうまいし、客の盛り上げ方がうまい。

 トム・ブラウンのおもしろさは理屈を超えたところにあることがわかりました。
 何がおもしろいのか全く説明できないのですが、涙が出るぐらい笑いました。

【登場順】
モグライダー
ダニエルズ
お見送り芸人しんいち
真空ジェシカ
吉住
トム・ブラウン
マシンガンズ
小島よしお
ウエストランド
インスタントジョンソン
U字工事
どぶろっく
ナイツ


2024年7月6日土曜日

【土曜日勉強会】ドレーゲル社勉強会

 ドレーゲル社の社員の方が医局においで下さり、電気的インピーダンス・トモグラフィ(EIT) PulmoVista 500 に関する説明がありました。

 手術室というよりは、集中治療室で使う物のようです。
 手術中に使うには、全身麻酔下の患者さんに対するベルトの着脱がたいへんかもしれません。
 以下は、自分用のメモです。
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・ARDS 患者における PEEP の高低とリクルータビリティの高低の組み合わせが生存率に関係している。だから人工呼吸の個別化が必要。

・PulmoVista 500 では、16個の電極に電流を流す。

・リクルートメント手技の実施後にダイナミックイメージで換気分布を見る。

・差異イメージで、介入前後での差分を評価することができる。

・各 ROI における呼気終末肺インピーダンスの評価もできる。


医科歯科のままでした

 今日から「東京科学大学」の看板がかかっているのかな・・・と思ったのですが、今朝の時点ではまだ「医科歯科」のままでした。  看板を変えるのも、お金がかなりかかるんでしょうね。