急性循環不全患者において、supine transfer test が輸液反応性の予測に有用である可能性を示した論文 (Zhao Z, et al. BMC Anesthesiol 2023; 23: 318) を読みました。
Supine transfer test では 45 度の半座位から患者を仰臥位に体位変換するのですが、下肢からではなく内臓からの血液の再分布を狙いとしている点が passive leg raising (PLR) とは異なります。
PLR ができない患者、例えば下肢静脈血栓症、の一部で実施できるというメリットがあるということです。
PLR はもともと手術室では行いづらいわけですが、supine transfer test なら半坐位から仰臥位ですから手術患者さんでも実行可能かもしれません。
半坐位から仰臥位への体位変換と言えばすぐに乳房再建術が思い浮かびますが、supine transfer test のいい候補と言えるかもしれません。