2023年11月7日火曜日

Supine transfer test

 急性循環不全患者において、supine transfer test が輸液反応性の予測に有用である可能性を示した論文 (Zhao Z, et al.  BMC Anesthesiol 2023; 23: 318) を読みました。

 Supine transfer test では 45 度の半座位から患者を仰臥位に体位変換するのですが、下肢からではなく内臓からの血液の再分布を狙いとしている点が passive leg raising (PLR) とは異なります。
 PLR ができない患者、例えば下肢静脈血栓症、の一部で実施できるというメリットがあるということです。

 PLR はもともと手術室では行いづらいわけですが、supine transfer test なら半坐位から仰臥位ですから手術患者さんでも実行可能かもしれません。
 半坐位から仰臥位への体位変換と言えばすぐに乳房再建術が思い浮かびますが、supine transfer test のいい候補と言えるかもしれません。

日本臨床麻酔学会第44回大会第3日

 ムンディファーマ株式会社のランチョンセミナーに参加しました。  THRIVE が上気道を開通させ、麻酔導入時の酸素化を改善することは疑問の余地はなさそうです。  聴衆の質問は有用性というよりは、費用対効果の問題や、どの患者を対象にするかといったことに集中していたようでした。  ...