胸部手術における気道管理デバイスとして、ダブルルーメンチューブと各種気管支ブロッカーがしばしば比較の対象になります。
Shum らの研究 (J Cardiothorac Vasc Anesth [Online ahead of print] (PMID: 37684137)) によると、 肺分離 20 分後の Lung Collapse Score がダブルルーメンチューブ群で有意に低い(肺の虚脱の程度が弱い)という結果が出ており、とても興味深く感じました。
ダブルルーメンチューブの非換気側ルーメンの方が気管支ブロッカーの中空部分よりも圧倒的に太いわけですから、ダブルルーメンチューブの方が同等以上の結果を示さないといけないように思うのですが、そういう結果にはならなかったようです。
残念ながらこの結果について想定される機序は論文中に述べられておらず、モヤモヤした感じが残ってしまいました。