以前に、前負荷反応性があることが必ずしも輸液に対する耐性があることを意味しないことを示唆する論文を紹介しました (2024/4/4)。
今日読んだのは、そこからさらに一歩進めて、前負荷反応性がありしかも輸液耐性がある患者に輸液を負荷するとどうなるのかについて調べた論文 (Morosanu B, et al. Crit Care 2024; 28: 339) です。
こういう患者に晶質液を 7ml/kg 負荷すると、約半数の患者では2分以内に静脈性うっ血を呈するものの、20分後にも静脈性うっ血の状態が続いているのはわずか5%ということでした。
つまり、一度、静脈性うっ血の状態になったらそれがしばらく続くというわけではなく、時間とともに状況が移り変わるということのようです。
ハイリスク患者において静脈性うっ血の状態にならず、輸液に対して耐性がある状態をキープしようと思ったら、つねに portal vein pulsatility index のようなものでモニタリングしないといけないということなのでしょうか。
今後のこの領域の研究の進展が待たれます。