2024年5月10日金曜日

【文献】指標どうしの相互作用

 心臓手術後の AKI を予測する血行動態の指標について検討した論文 (Demirjian S, et al.  Crit Care Explor 2024; 6: e1063) を読みました。

 低い平均血圧や高い中心静脈圧が心臓手術後の AKI の予測因子であることなどはすでに多くの研究で示されていますが、それらに加えて指標どうしの相互作用について調べられている点がこの研究の大きな特徴として挙げられると思います。

 例えば、低い平均血圧と高い中心静脈圧の組み合わせは AKI の発生に対して相乗効果を示すとか、心拍数が高いことが低心拍出量患者における AKI のリスクを高める、といったぐあいです。 

 最近の周術期 AKI 研究の特徴として、「腎内の血行動態」や「個別化」がキーワードとして挙げられますが、「指標どうしの相互作用」もキーワードになりうるのではないかと考えさせられました。

日本麻酔科学会第72回学術集会第2日

 昨日とは違い、今日は発表のプレッシャーがなく、のんびりと学会を楽しむことができました。  早朝は麻酔薬の作用機序に関するリフレッシャーコース、その後は敗血症に関するシンポジウムに参加しました。  午後は働き方改革に関する講演を聞きました。  現場の麻酔科医ではなく、管理者(院長...