心臓手術後の AKI を予測する血行動態の指標について検討した論文 (Demirjian S, et al. Crit Care Explor 2024; 6: e1063) を読みました。
低い平均血圧や高い中心静脈圧が心臓手術後の AKI の予測因子であることなどはすでに多くの研究で示されていますが、それらに加えて指標どうしの相互作用について調べられている点がこの研究の大きな特徴として挙げられると思います。
例えば、低い平均血圧と高い中心静脈圧の組み合わせは AKI の発生に対して相乗効果を示すとか、心拍数が高いことが低心拍出量患者における AKI のリスクを高める、といったぐあいです。
最近の周術期 AKI 研究の特徴として、「腎内の血行動態」や「個別化」がキーワードとして挙げられますが、「指標どうしの相互作用」もキーワードになりうるのではないかと考えさせられました。