先週の金曜日にも書きましたが、A-line を入れずにエコーを使って動脈の血流を描出し、非侵襲的に輸液反応性を予測する試みが流行っているようです。
今日読んだ Roy らの研究 (Cureus 2023; 15: e42083) では、頚動脈血流の収縮期ピーク速度の呼吸性変動の性質について調べており、これが PPV や SVV のように輸液負荷後に減少すること、左室流出路の VTI の変化率との間に有意な相関があることが示されていました。
残念なのは、この研究がショック患者を対象としており、全ての患者で輸液反応性があることを前提として進められていたことです。
A-line を用いた輸液反応性の予測と同様に、輸液反応性がある患者とない患者との間で指標(頸動脈の収縮期ピーク速度の呼吸性変動)に差があるのか、両者を識別する適切な閾値が得られるのか、グレーゾーンはどの程度の範囲なのか、といった素朴な疑問に答えられるようなデザインで研究が行われることを期待します。