2025年4月8日火曜日

【文献】HPI と平均血圧との比較

 低血圧のアラートとして、HPI と平均血圧 70-75 mmHg を比較した研究 (Rellum SR, et al.  Eur J Anaesthesiol [Online ahead of print] (PMID: 40012367)) を読みました。

 A-line 上の血圧トレンドを注意深く観察していれば、HPI を使わなくても低血圧の発生を予測できるのではないか・・・という臨床医の素朴な疑問に答えたものであり、うまくデザインした研究だと思い、感心しました。

 同様の発想で行われた研究はほかにもあるようで、LepMAP0 というのが低血圧の発生を予測する代表的な指標 (Jacquet-Lagreze M, et al.  Eur J Anaesthesiol 2022; 39: 574-81) の一つのようです。

 HPI の真の意味での有用性の評価に関しては、これからも議論が続きそうだと感じました。

2025年4月7日月曜日

東京科学大学の夜桜

 遅番で遅くなった帰り道に、東京科学大学の桜を撮ってみました。

 今のスマホは暗いところで写真を撮ると、スマホを動かすなと警告が出るんですね。

 なので、なるべく動かさないようにしてみたのですが、手がプルプルしました。

2025年4月5日土曜日

青葉の森公園の桜

 先月の梅に続いて、桜を見に青葉の森公園に行ってきました。

 道が混んでいて、ランチを済ませたあとに公園に着いたのが午後3時ごろ。

 帰る人たちと入れ替わる形で駐車場に車を停めることができたので、たいして待たずに済みました。

 広い公園を散歩できて、よかったです。

 明日は天気が悪いということなので、今年の桜はこれが最後
かもしれません。 

2025年3月16日日曜日

【文献】HPI 研究の新たな展開

 術中低血圧を予測する HPI 関連の論文 (Rippolles-Melchor J, et al. Anesthesiology 2025; 142: 639-54)、正確にはアブストラクトのみですが、を読みました。

 HPI 関連 の論文はたくさんありますが、他の研究とは異なりこの研究では術後7日以内の中等度から重度の AKI が主要評価項目となっていました。

 昨年の学会でも、HPI が術中低血圧を低減させることはすでに確立しており、臓器障害を減らすかどうかが今後の課題だというような話になっていました。

 手術中の低血圧に関する指標は、もはや主要評価項目にはなりえないのかもしれません。
 研究が新たな段階に入っているように感じられました。 

2025年3月7日金曜日

【文献】呼気時の気道閉塞

 全身麻酔からの覚醒時に excessive dynamic airway collapse (EDAC) が生じ、高度低酸素症に陥った症例報告 (Lyu J, et al. J Int Med Res 2025; 53: 3000605241307865) を読みました。

 EDAC では気管後壁(膜様部)が前方(気管の内側)へ突出しますが、気管軟骨の脆弱性が関与しない点で気管軟化症とは異なるようです。

 この症例では術前に何ら呼吸症状はなく、CT でも異常は見られなかったということです。

 声門上器具での麻酔管理中に気道内圧が上昇したら、通常は喉頭痙攣が疑われるわけですが、こういうレアなケースがありうるわけで、やはり困ったら気管支鏡検査というのがひとつの原則なのかなと考えさせられました。 

2025年3月2日日曜日

梅を見に行ってきました

昭和の森公園 (2/24)
 先週の昭和の森公園に続き、今週は青葉の森公園に梅を見に行ってきました。

 青葉の森公園は、梅園以外にも公園内のいたるところにさまざまな種類の梅が育てられていました。

 最も遅咲きとされる「紅玉小梅(べにたまこうめ)」もほぼ満開に近い状態で、明日からまた寒くなることを考えると、今日が最もいいタイミングだったように思います。
 

2025年2月28日金曜日

【土曜日勉強会】 抄読会 --- スガマデクスによる麻酔覚醒効果

第1土曜日なので、今日の勉強会では恒例の抄読会が行われました。
自分は Zoom で参加しました。

It 先生
Outcomes of Adenotonsillectomy for Obstructive Sleep Apnea in Children Under 3 Years of Age.  Rayasam SS, et al.  Ear Nose Throat J 2024; 103: 794-800.

3才未満の小児のアデノイドと扁桃切除の転帰に関する後ろ向き研究。
大人のOSAとは異なり、小児では手術が根治につながると関上げられている。
大人とは異なり、小児では PSG の実施はたいへん。
3才未満での T&A はそもそもデータが少ない。
ほとんどが改善したが、6% ではかえって悪化。
根治は難しい。
21 トリソミー、顎顔面異常がある患者では術後の PSG を行うべきかも。

Iw 先生
The arousal effect of sugammadex reversal of neuromuscular blockade differs with anesthetic depth in propofol‑remifentanil anesthesia: a randomized controlled trial.  Sci Rep 2023; 13: 20776.

スガマデクスによる覚醒効果は、鎮静の程度に影響されるという仮説を証明することをねらいとした研究。
患者を深い麻酔群と浅い麻酔群に分け、スガマデクス投与後の臨床徴候などを比較した。
BIS の変化量は浅い麻酔群の方が有意に大きかった。
手術中に神経筋モニタリングなどのためにスガマデクスが投与されると、意図しない覚醒が起こることが懸念される。

【文献】HPI と平均血圧との比較

 低血圧のアラートとして、HPI と平均血圧 70-75 mmHg を比較した研究 (Rellum SR, et al.  Eur J Anaesthesiol [Online ahead of print] (PMID: 40012367)) を読みました。  A-line 上...