2025年5月19日月曜日

【文献】アミノ酸と AKI(その2)

 アミノ酸製剤が術後 AKI 予防の有力な候補であることは、以前に「アミノ酸と AKI」というタイトルで書きました。
 実際、アミノ酸が術後 AKI を予防することを示す論文は数多く、最近ではポジティブな結果のメタ解析も複数見られます(AKI の予防と治療 --- アミノ酸)。 

 そんな中、アミノ酸の術後 AKI 予防効果には議論の余地があるとするエディトリアル (Heyman SN, et al. Anesthesiology 2025; 142: 779-82) を読みました。
 論点はいくつかあるのですが、一つの例として、アミノ酸投与によって腎内の血行動態が変化し GFR が増加するのですが、それが必ずしも腎臓の組織が救われたことを意味しない可能性があることが挙げられていました。
 アミノ酸の潜在的に有害な面、例えば腎髄質の低酸素性尿細管障害についても触れられていました。

 著者らはまた、血液または尿のバイオマーカーを用いた研究を進めることの重要性についても述べていました。
 ということは、おそらくすでにそういう研究が始まっているということなのでしょう。
 結果が楽しみです。

2025年5月17日土曜日

【土曜日勉強会】産科麻酔の予演会

 今日の土曜日勉強会では、産科麻酔部門の須賀先生と木村先生による日麻の予演会が行われました。 

 須賀先生のお話は、外回転術の麻酔に関するものでした。
 逆子を頭位にもっていくことを外回転術というのだそうです。
 この処置が痛みを伴うということもあり、当院では座位での CSEA で行うとのことでした。

 木村先生からは、用語を変更しようという動きについてのお話が最初にありました。
 実際には「無痛」というわけにはいかないのに、「無痛分娩」という用語が用いられていることから、妊婦さんに誤解や過剰な期待を与える要因になっているとのことです。
 「分娩時鎮痛」という用語に代わる可能性があるそうです。

2025年5月14日水曜日

【文献】周術期臓器障害

 4年間にドイツで行われた 2,800 万件超の手術を対象に、周術期臓器障害について調べた論文 (Kirk F, et al. Nat Commun 2025; 16: 3366) を読みました。

 これによると、臓器障害のうち最も多く発生するのは急性腎障害なのだそうです。

 これまで急性腎障害に関する研究をいくつか行ってきましたが、正直なところ、ちょっと意外な感じがしました。

 MI や ALI/ARDS などとくらべ、臨床の現場でのインパクトが小さいからなのかもしれませんが、見過ごされすぎていると言えるのかもしれません。

 そしてこの著者らによると、周術期は ‘the neglected stepchild of global health’ と呼ばれてきたということです。

 ずいぶんひどい言われようですが、前向きに捉えればこれから開拓されるべき分野だということなのかもしれません。


2025年5月4日日曜日

よしもとの GW イベント

 よしもと幕張イオンモール劇場でゴールデンウィークのイベントがあったので、家族で出かけてきました。
 いろいろな芸人さんがたくさん出てきた中で特に盛り上がったのは、5GAP、佐久間一行、ハイキングウォーキング、桂文枝でしょうか。

 特に 5GAP は流れるようなコントの中で、観客の予想を裏切るような展開で、とてもおもしろかったです。
 佐久間一行は身近なネタをもとに、ひょっとしたら自分で描いたのかもしれませんが、パソコンでマンガを操作していました。自分にとっては目新しかったです。
 桂文枝はもうすぐ 82 才とのことですが、ツヤツヤしていてすごく若々しく見えました。

 海浜幕張はものすごく混んでいて、いかにもゴールデンウィークといった感じでした。

 明日は自分はオンコールですでに症例が組まれているのですが、今日のお笑いでリフレッシュできてよかったです。

 

  

日本麻酔科学会第72回学術集会第2日

 昨日とは違い、今日は発表のプレッシャーがなく、のんびりと学会を楽しむことができました。  早朝は麻酔薬の作用機序に関するリフレッシャーコース、その後は敗血症に関するシンポジウムに参加しました。  午後は働き方改革に関する講演を聞きました。  現場の麻酔科医ではなく、管理者(院長...