アミノ酸製剤が術後 AKI 予防の有力な候補であることは、以前に「アミノ酸と AKI」というタイトルで書きました。
実際、アミノ酸が術後 AKI を予防することを示す論文は数多く、最近ではポジティブな結果のメタ解析も複数見られます(AKI の予防と治療 --- アミノ酸)。
そんな中、アミノ酸の術後 AKI 予防効果には議論の余地があるとするエディトリアル (Heyman SN, et al. Anesthesiology 2025; 142: 779-82) を読みました。
論点はいくつかあるのですが、一つの例として、アミノ酸投与によって腎内の血行動態が変化し GFR が増加するのですが、それが必ずしも腎臓の組織が救われたことを意味しない可能性があることが挙げられていました。
アミノ酸の潜在的に有害な面、例えば腎髄質の低酸素性尿細管障害についても触れられていました。
著者らはまた、血液または尿のバイオマーカーを用いた研究を進めることの重要性についても述べていました。
ということは、おそらくすでにそういう研究が始まっているということなのでしょう。
結果が楽しみです。