ICU で機械換気を受けている患者を対象に、輸液反応性だけでなく同時に静脈性うっ血を評価した論文 (Munoz F, et al. Crit Care 2024; 28:52) を読みました。
静脈性うっ血の徴候があった患者の割合は、輸液反応性がある患者とない患者の間で有意な差はなく、輸液バランスと静脈性うっ血の間にも関連が認められなかったということでした。
輸液反応性があればどんどん輸液を負荷してもいいような気がしてしまいますが、この研究結果から、輸液を負荷する前に静脈血うっ血も評価した方がいいのかもしれないと考えさせられました。
以前、「輸液反応性と輸液耐性」というタイトルで文献を紹介をしたことがありました。
今回読んだ論文のタイトルには輸液耐性 (fluid tolerance) という言葉はなかったものの、静脈性うっ血 (venous congestion) という用語が含まれており、おそらく両者は同様の意味合いなのだと思われます。