全身麻酔中の吸入酸素濃度が、子宮鏡手術中に発生するガス塞栓に与える影響について調べた論文 (Deng X, et al. Int J Gynaecol Obstet [Online ahead of print] (PMID: 37789807)) を読みました。
この論文の考察を読むと、吸入酸素濃度はガス塞栓の発生に影響を与えるのではなく、いったんできたガス塞栓の維持に影響を与えると考えられているようです。
つまり、酸素が血中にたくさんあると、ガス塞栓内に酸素が入り込んでガス塞栓の縮小につながるわけですが、窒素が血中にたくさんあると、ガス塞栓がそのまま維持されるということです。
吸入酸素濃度は無気肺、術後の悪心嘔吐、創感染などに影響する可能性があると考えられており、たくさんの研究が行われているわけですが、ガス塞栓への影響について調べた研究は目新しいように感じたので、紹介してみました。